私が無言を貫いたため、少し沈黙ができました。
すると、副店長が
「お客様は色々お調べになったようなのでおそらくフィナやミノキの存在をご存知でしょう?」
と聞いてきました。私は声は出さずにうなずきました。
(内心では「やっぱりこの話が来たか」と思いました)
副店長は話を続けます。
「あれは絶対に手を出してはいけません。確かにフィナやミノキを使えば生えてきます。
でもリバウンドがあって、生えてきた以上に抜けます。生えるのは最初のうちだけです。
うちの患者さんの中にも使用していた人がいたけど最終的にうちに泣きついてきました。」
私は適当に相づちを取りながら話を聞いていました。内心では、
「フィナやミノキは使用し続けなくてはいけないものだから、そりゃあ止めれば
そうなるだろうなぁ。その人が薬の服用を止めたのは健康上の問題か服用し続けなければ
いけないということを知らなかったんだろうなぁ。」
と思っていました。フィナやミノキの欠点や副作用はかなり色々調べていたので
私は副店長の話に少しも動揺を見せませんでした。
副店長もそれを感じ取ったのか
「じゃあ、クリニックとうちと両方やるっていうのはどうでしょう?」
と切り出してきました。私は
「そうきたかぁ」
と思いました。確かに育毛サロンは効果があまりないとはいえ、行かないよりは行った方が
髪にとってはいいはずです。しかし、あまり効果のないものに高いお金を払う気はありません。
そのため、副店長の提案に私は
「う〜ん(どうすれば断れるかなぁ)」
と考え込んでしまいました。その様子を見た副店長は
「じゃあ、お客様の契約しているコースに別のコースの一部を無料でお付けいたしますよ。
もちろんお客様が学生の間だけですが。
それにここに通って頑張っていればきっと+αがありますよ」
と言いました。そういえば、この副店長はヘアチェックへ行った時も
「うちへ通って一生懸命育毛していればきっと+αがある」
と言っていたことを思い出しました。私は、
「この+αって具体的に何だろう?」
と思い、
「+αって具体的に何ですか?」
と質問してみました。すると副店長は
「うちで一生懸命育毛してれば、これでダメならカツラをかぶろうという気持ちになります。
そういう前向きな気持ちになるのが+αです。」
と言いました。要は、
効果のない育毛をさせておいて最終的にカツラを勧められる
ということです。冗談じゃありません。そんなところで育毛なんてしたくありません。
私は、
「学生で金銭的に厳しいのでどちらか1つを選びたいです。それで今は
クリニックの方に興味があるのでそちらを選びたいです。」
と言いました。副店長も私の意志が揺れないと感じたみたいで
「そうですか。では、そちらの方で育毛頑張ってください。
もし何かあればいつでも相談にいらしてください。」
と言われ、契約解除することができました。
実際にアデランスへ通ってみての私のアデランスに対するイメージは
それほど(掲示板でボロクソ言われているほど)悪くありませんでした。
嘘をついてまでとか強制的に契約させようという雰囲気はありませんでした。
(実際に「新しい毛は生えてこない」とはっきり言ってくれましたし、
私の場合クーリングオフの期限が過ぎていたけど契約を解除してくれました)
多少強引な部分はありましたが、向こうも商売なのでどうしてもそうなってしまうと思います。
ただ、アデランスの育毛に関しての態度には疑問が残ります。
アデランスの主力は育毛ではなくカツラです。
(カツラのシェアは全体の60%弱と他のメーカーを圧倒しています)
そのためアデランスサイドとしてはカツラを売りたいわけですが、
普通の人はなかなか「カツラをかぶろう」という決断をできません。
そこで、育毛サロンという形で髪を気にしている人を呼び込み、
最終的に「これだけやってダメならカツラでいいや」という精神状態にもっていく
という流れがあるのではないかと思ってしまいました。
(実際に他の育毛サロンと比較してアデランスの価格は安いので行きやすいと思います)
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